2020年の東京オリンピックまであと少し。
開催場所が東京だと決まった瞬間の興奮はまだ記憶に新しいのではないでしょうか?
実は今、30年以上も前に大友克洋(漫画家)が近未来の混沌とした世界を描くSFアクションマンガ「AKIRA」の作中で2020年に開催されるオリンピックを予言していた、と話題になっているのをご存知でしょうか?
漫画「AKIRA」と東京オリンピックについて
あらすじ
「AKIRA」は1982年に大友克洋によって執筆され、講談社より販売され、1990年にて完結したSFアクションマンガです。
舞台は東京、1982年に新型爆弾により首都は崩壊。これがきっかけとなり第三次世界大戦が勃発し、世界は荒廃していきました。
それから、38年の時が立ち東京は復興の真っただ中、新たな発展を迎えつつあり、東京湾上には高層ビルが立ち並ぶ「ネオ東京」が建設。
そして、そのワンシーンに2020年に東京オリンピックの開催が予定され、その前年にオリンピックの為の再開発工事に大反対して抵抗する一般市民のムードについて描かれているというものでした。
こうした時代背景の中、主人公・金田は、事故をきっかけに超能力に目覚めた親友の鉄雄と共に軍が秘密裏に研究する超能力を巡る抗争に巻き込まれる。
軍が極秘に封印していた最強の超能力者「アキラ」の封印を解き世界征服を試みる鉄雄の暴走を止めるため、金田は仲間たちと協力し戦うというストーリーです。
大友克洋の予言
これらの内容を1982年の漫画の作中に描き、ピタリと的中させたことや、実際の東京都でも国立競技場問題や、東日本大震災からの復興がもたつく現状の中で、東京オリンピックに反対する意見やデモが起こったりと漫画のワンシーンによく似た状況まで起こったことから、予言に関する信憑性は高まっていったと考えられます。
AKIRAの時代背景として2019年が選ばれたのには、予言とは別の意見もあります。
同作の連載が開始された1982年が第二次世界大戦終結から37年後だったので、その時間幅をそのまま作中の第三次世界大戦にあてはめ、期せずして予言するという形になった。
オリンピックも、翌年がオリンピックイヤーにあたり、現実でも1964年にオリンピックが日本で開催されたことも、戦後復興の象徴としてネオ東京でも開催するという設定に至ったのではないかという意見もあり、作者自身、下記のように述べています。
漫画の『AKIRA』は、自分の中では、世界観として「昭和の自分の記録」といいますか。戦争があって、敗戦をして。政治や国際的ないろいろな動きがあり、安保反対運動があり、そして東京オリンピックがあり、万博があり。僕にとって東京というのは昭和のイメージがものすごく大きいんですよね
というように述べています。予言しましたとはもちろん語られなかったですが、前述した歴史の時間幅をAKIRAの時代背景のなかで経過させた結果、2020年の東京オリンピックという設定に至ったと考えられます。
そして、作者大友克洋の思い描いたように、東京は常に変化する生き物だと言い、新しい東京を新しい人たちが創っていくと述べていました。
日本もそのように変化し、進化していった結果2020年の東京オリンピックの開催に至ったのだと考えます。