2020年東京オリンピックで初めて正式種目となったスポーツクライミング。
全3種目の総合成績で順位を競い合う個人競技です。選手は壁に設置されたホールドを素手で掴み、上に登っていきます。
実は日本人選手は過去の世界選手権でも好成績を残しており、メダルが大きく期待できる競技なんです。
今回は、そんな大注目のスポーツクライミングのルールや注目選手について紹介していきます！
東京オリンピック注目競技【スポーツクライミング】の魅力って？
スポーツクライミングは東京オリンピックで初採用された種目であり、競技について詳しく知らない人も多いでしょう。ここでは競技の魅力や面白さを解説していきます。
体ひとつで頂点を目指す選手たちの躍動
スポーツクライミングの特徴にして最大の魅力は、選手たちが体ひとつで壁をよじ登っていく躍動感です。
道具は一切使用せず、ホールドという壁に設置された支えに指先をかけて、全身の力で上に進みます。
パワー、スピード、テクニックを高次元でバランス良く求められる競技であり、体のあらゆる部位を柔軟に使いこなしていく必要があります。
種目により規定は異なるものの、壁の高さは最大で15m以上。
渾身の力で頂点を目指す選手達の姿は、見る人を圧倒するでしょう。
判断力と知力を掛けわせた頭脳戦
スポーツクライミングでは、全身を使った運動能力以外にも、判断力と知力といった戦術的な要素も非常に重要です。
全3種目のうち、「ボルダリング」と「リード」の２種目については他選手のクライミングを参考にできないよう、競技前の選手は別室に隔離される「オンサイト方式」が採用されています。
選手がルートを確認できるのは、競技開始直前の数分間だけ。そのわずかな時間で空間を把握し、自身が最短で登れるコースを判断する必要があります。実際に壁を登る前の段階から、各選手の頭脳戦が始まっているのです。
勝負の行方を面白くする異なる3種目
競技は1人の選手が「スピード」「ボルダリング」「リード」の全3種目を行い、合計の成績で順位が決まります。
詳細は後ほど詳しく記載しますが、「スピード」は2選手で直接タイムを競い合い、「ボルダリング」「リード」は制限時間内に規定されたコースを登っていきます。
出身国による身体的特徴などもあり、各選手で得意・不得意の種目は少なからず存在します。日本人選手は運動能力に加えて、空間把握力に優れているといわれています。
総合力で成績が決まるため、3種目を通しての駆け引きも勝敗を大きく左右するでしょう。
2020年東京オリンピック【スポーツクライミング】のルールを知ろう！
スポーツクライミングにはルールが異なる全3種目が存在します。ここでは種目別に規定されているルールを解説していきます。
スピードのルール
2人の選手が用意された別のコースを登り、そのタイムを競います。
高さ15m、傾斜95度の壁に対峙しながら、世界共通で設定されたルートに挑みます。
安全性のため選手は専用のロープを装着。フライングは1回で失格と他のレース競技に比べて厳しい中、優勝タイムは男子選手で5〜6秒、女子選手で7〜8秒。零コンマの世界で競い合います。
ボルダリングのルール
高さ4mに設定されたコースを4分の制限時間内にいくつ登れるかを競います。「オンサイト方式」により選手は他選手の競技を見ることはできず、コースを知らされるのも開始直前です。
壁をよじ登り、最上部にあるホールドと呼ばれる壁に設置された部位を両手で握ればそのコースはクリアとなります。途中落下の場合、制限時間内であれば、再チャレンジが可能です。
リードのルール
高さ15m以上に設定されたコースを6分の制限時間内でどの時点まで登れるかを競います。
完登した選手が複数いた場合は、タイムが速い方が上位です。
途中で落ちた場合はその地点が記録となります。シンプルなルールですが、最もクライミングの魅力が伝わってくる種目です。
2020年東京オリンピック【スポーツクライミング】注目選手をチェックしよう！
注目選手① 野口啓代（のぐち あきよ）選手
野口啓代選手は日本のスポーツクライミングの第一人者であり、2020年東京オリンピックの内定選手第1です。
ワールドカップでは、2008年フランス大会にて日本人女性で初めて優勝を飾って以降、ワールドカップ年間優勝4回を含む通算21勝をマーク。
2019年の世界選手権では複合2位となり、オリンピックでは金メダルが期待されています。オリンピックでの現役引退を表明しており、最初で最期の大舞台で初代女王を狙います。
【プロフィール】
・1989年5月30日生まれ
・茨城県龍ケ崎市出身
・身長165cm、体重49kg
【過去の主な成績】
・2009年、2010年、2014年、2015年 ワールドカップ年間総合優勝
・2018年アジア大会 優勝
・2019年世界選手権 複合2位
注目選手② 楢崎智亜（ならさき ともあ）選手
楢崎智亜選手は2019年世界選手権で複合優勝を飾り、男子でのオリンピック内定を初めて決めました。
得意のボルダリングでは2016年に日本人男子で初優勝に輝き、2019年と合わせてここ数年で2度も世界の頂点に立っています
。生まれつき持つ指関節の強さと全身のしなやかさが武器であり、あらゆるコースに柔軟に対応できる選手です。世界王者の実績を引き下げ、東京オリンピックでも躍動してくれるでしょう。
【プロフィール】
・1997年5月21日生まれ
・栃木県出身
・身長169cm、体重60kg
【過去の主な成績】
・2016年世界選手権 ボルダリング優勝
・2019年世界選手権 ボルダリング優勝
・2019年世界選手権 複合優勝
注目選手③ 野中生萌（のなか みほう）選手
野中生萌選手は2018年のワールドカップで年間総合優勝を果たしており、女子では野口選手と並んでメダルが期待されている選手です。
3種目の中でも「ボルダリング」が非常に得意であり、過去の世界大会でも数多く上位に食い込んでいます。
持ち味の瞬発力に長けたダイナミックな動きを武器に世界の強豪と戦います。
【プロフィール】
・1997年5月21日生まれ
・東京都豊島区出身
・身長162cm、体重52kg
【過去の主な成績】
・2016年世界選手権 ボルダリング2位
・2017年ワールドゲームズ ボルダリング2位
・2018年ワールドカップ 総合優勝
東京オリンピック【スポーツクライミング】の気になる日程や場所をチェックしよう！
【スポーツクライミング】の会場
■青海アーバンスポーツパーク
東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」下車徒歩
所在地：江東区青海一丁目1番
【スポーツクライミング】のスケジュール
2020年8月4日(火)〜2020年8月7日(金)
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いかがでしたか？
今回は、スポーツクライミングのルールや注目選手について紹介していきました。
東京オリンピックで初採用された競技ですが、過去の世界大会での成績からも日本人選手の活躍が期待できます！
選手の躍動感あふれる動きが魅力であるだけでなく、ルールがシンプルでわかりやすいため、初めて見る人でも終始楽しめる競技です。
みんなで応援して東京オリンピックを盛り上げていきましょう！